にじさんじオリジナルフルアルバム「SMASH The PAINT!!」を聴いています

ドスドスドスドス!!!!みんな!!!!!!!
SMASH The PAINT!!聴いた!?!?!?
にじさんじによるオリジナルフルアルバム「SMASH The PAINT!!」聴いた!?!?!?

 

 

あんまり聴かれてないみたいですね……。

作曲家が発表された時は、V見てないフォロワーたちからも大注目だったんですけどね。

なぜあまり聴かれてないのでしょう?

現在物理CDでしか聴けないからですね。


初回生産限定盤が4980円、通常版も3850円です。しかも品薄らしいね。サブスクはないし、配信販売もないです。なぜ???

何を考えてこんな完全に信者向けみたいな売り方してるのかわかりませんが…。

作曲者がTAKU INOUEや石濱翔だったら歌唱者のことを全然知らなくてもとりあえず聴いてみるオタクたちを無視しているか、作曲家にファンがつくことを知らない可能性がありますね(この作曲家たちに依頼しておいて?)。 
魅力的な楽曲を作りながら、最低3850円出せるにじさんじファンだけに商売するのはよくわかりません…。発売から2週間ですがAmazonにも在庫ないです今。

いちから株式会社! 頼むからiTunesとかでも売ってくれ! フォロワーのために!

 

 

3/18発売「SMASH The PAINT!!」にじさんじオリジナルフルアルバム - YouTube

それでは試聴リンクを貼ったところで各曲の感想にいきます。

 

M1: 3倍! Sun Shine! カーニバル - アンジュ・カトリーナ/戌亥とこ/リゼ・ヘルエス
作詞:烏屋茶房 作曲・編曲:篠崎あやと

良曲揃いのアルバムのなかでも、一番聴いてるのがこの曲だったりします。
なんというか、アプローチがアニメOPっぽいですよね。「さんばか」の曲なので、ひらがな四文字アニメのOP的なノリなのだと勝手に思ってます。アルバムの1曲目なのもそういう感じなのかなと。

1曲目はさんばかによる楽曲、トリはJK組のソロ曲が3連続というアルバム構成は、説得力の塊という感じですね。(※さんばかは現にじさんじ環境においてトップ級の人気があります。JK組はトリオの元祖的な感じです)

さんばかの由来(?)でもあるサンバカーニバル要素としてサンバホイッスルが使われていて陽気で楽しい。全体的に踊れる感というか、ディスコファンク(?)っぽい風味があり、サビはススメ☆オトメとかオリジナルスターとか流星ダンスフロアとかみたいなあのメロディ感で、要はノリノリで爆踊りで最高です。SMAPっぽいな~と雑に思って聴いています(SMAPもよく知りませんが…)。

 

リゼ皇女の「れつごー!」萌えッッッ!!!
皇女の声(声に付帯する人格)が好きすぎて狂う!!!

 

一番触れたいのが、がっつり様式美みたいな曲から、2サビ後のDメロで通称「ゴミ音源」パートに突入することです。

 これをオマージュしたDメロがあります。よく楽曲に落とし込めたな……。

「コールアンドレスポーンス 始まるよ~(動画のやつのメロディ)」と、プロの曲にあってはならない不安なメロディが放たれてコーレスが始まるのも発想がすごいです。

間の抜けっぷりがすごいんですが、これが不思議とバカ高まりなんですよね。ほか、歌詞には配信のネタも数々拾われていて、アニメOPとして隙がないです(アニメOPではない)。

 

 

 

M2:Not For You - 叶/葛葉
作詞・作曲・編曲:ゆよゆっぺ
男の曲はよくわかりません…

 

M3:1+1でQ.E.D.!! - 御伽原江良/童田明治
作詞・作曲・編曲:Nor

自分の物差しだとこの曲はあまりよくわからなくて、クラブミュージックが下地にあるアニソンというか、にしては意外と音数が少ない感じとか、3分半の尺も含めてミニマルな感じだな、みたいな感想です。緩急あるリズムのサビが印象的。

2番サビを飛ばしてうんたんパートがあるのですが、童田のけいおん歌ってみた動画要素と御伽原のリズム天国要素(リズム天国はコラボもありますね)をモチーフにした掛け合いですね。
童田がリズムでうんたんに苦戦した問題をいじられてましたが、結構難しくないですか…?

ライブで聴いた時は、この曲だけFutureBass的な低音がボワボワ鳴っててはぇ~~となりました。

 

M4:青春モード! もう1回! ! - 本間ひまわり
作詞・作曲・編曲:HoneyWorks

作曲者によるとSEKIRO配信を見てこの曲を書いたとのこと。ゲーム実況者に書かれる曲って、やっぱりゲーム実況配信を参考に作られるんだという感心があります。

 
SEKIRO配信が青春ソングになるのか……。本間ひまわりが「恋もしたい」って初耳だったな。
死にゲー系のSEKIRO配信が、青春のトライアンドエラーだったり、年頃の高校生なのに恋愛そっちのけでゲームばっかりやってる私だけどそれも青春だよね、みたいな歌詞に仕上がってしまうの、あまりにもハニワ解釈すぎる。
「コメントで青春」「一緒に達成感 これもまた青春」なんて歌詞、頭HoneyWorksじゃないと採用できないだろ……。
あと「みんな」に宛てたパートの俺たちっぽい声が「ヴォイ」なのはなんなんだよ。

 


M5:サンデーサンデー・フルーツフール - える/シスター・クレア
作詞:八城雄太 作曲・編曲:石濱 翔 (MONACA)

ほぼ声優楽曲の感触です。石濱翔、どこでもコンスタントに良い曲を作りすぎている。
ボーカルも含めて、曲全体の整い方がアルバムの中でも図抜けている印象です。声優楽曲みたいな感触は、その整い方でしょうか。
ふたりとも人が良い声すぎますね。セクシーなギターソロも嬉しい。
コンビとしての結びつきはよく知りませんが、この二人をまとめて「劇的ではないSunday」って、言い方だなぁと思います。

 

 

M6:Playtime Magic - 加賀美ハヤト/夢追翔/緑仙
作詞・作曲・編曲:Avec Avec

男の曲はよくわかりません…

男二人のボーカルが牽引するムーディーな曲に緑仙の女性的な中性ボーカルがバチッと入ってくるのがめちゃくちゃかっこいいです。一番いい曲かもしれません。

 


M7:Radical Rabid Riot - ジョー・力一/鷹宮リオン/竜胆尊
作詞・作曲・編曲:八王子P

キャラクター的には、ピエロと魔法学校のお嬢様と鬼の女王なので、なんかアニソンっぽいです。
3人のTRPG回を思い出します。RRR配信で一番好きな回です。


【#R_R_R_】また君におはようと言えたら【クトゥルフ神話TRPG】



 

M8:圧 倒 的 存 在 感 - 鈴原るる/でびでび・でびる
作詞:まろん (IOSYS) 作曲・編曲:ARM (IOSYS)

電波ソングです。
このアルバム一番の注目曲かもしれません。言いたいことがありすぎます。
でびるるで電波ソングをやる着想がまず良い。まあ、でびるに歌わせるなら台詞多めの電波曲かなというのは無難な着地かと思いますが、鈴原も巻き込んで「でびるる」で電波ソングとなると、そう来たか~という驚きがあります。たぶん鈴原るるの曲から構想が始まったら普通は電波ソングにならないでしょう。でも、でびるるなら電波ソング全然あるでしょ!という気がしてきますよね。 

でびるの悪魔崇拝がベースで、入信者を釣るために鈴原にあざとく歌わせているみたいな曲なんですが……よく閃いたなと思います。

だって鈴原、「ずうっと私とゲームしよっ♪(きゅんっ!) 好き好き大好き、ギュッとして♪(きゅんっ!)」なんて普通歌わんもん。でも聴きたくはあるじゃないですか?

それが電波ソングかつでびるるなら可能!というパワーですよね。

Vtuberのコンビ楽曲にはそういうやり方もあることに感心します。電波ソングの懐が広いからこそできるコンビ表現の可能性かなと。いや、鈴原るるとしての最初の曲が電波って何!?という困惑は常にありますが。

 「でび! るる! でびるるでびるる!」の反復という、電波ソングなら100回は聴いたようなフレーズが繰り出されるのはある意味職人芸です。鈴原の「魔界出身ジャングル育ち♪」を脈絡なく放り込むことこそ、IOSYSキャラソンの様式美でしょう。

「異界の扉が開かれた」と「みんな、こんるる~」でドロップが始動するのも良い。勘所を押さえてます。しかもダブステップですし…。あとチップチューン風になるのも鈴原のゲーム要素だったりとか、ほか色々なジャンルを横断しても、電波ソングのフォーマットでまとまるのが良いですね。

 

 

M9:煽動海獣ダイパンダ - 笹木咲
作詞・作曲・編曲:やしきん

3窓視聴されています(チャンネル登録してないんかい)。

笹木だし、煽動海獣ダイパンダってタイトルなので、てーきゅう主題歌みたいな破天荒でノリの良い曲が来るんだろうな~と思いきや、ゆるラップのしっとり曲で意表を突かれました。良いですね。

歌詞のアプローチは予想通りキャラソン的ですが、意外とクドさがなくてスッと馴染みます。

笹木ってこんな歌声だったんか…。SoundCloudでよくわからんネット女がラップしてる曲で良いのを見つけたみたいな感じの聴き心地で気に入っています。

ゲーム実況者の曲として「青春モード!もう1回!!」と比較しても面白いかもしれません。

 

 

M10:Only - 樋口楓
作詞・作曲・編曲:YUC'e

あんまり言えることがないけど良い曲とポジションだと思います。
樋口楓、わりとアニソンっぽい曲を作られがちですが、こういうミドルバラードみたいな曲が似合いますよね。

 


M11:Aimless Story - 静凛
作詞・作曲・編曲:kz(livetune)

もし「Virtual to LIVE」がシングルだったらB面がこの曲みたいな感じです。しずりん先輩が語り手で、にじさんじというグループを初期から見届けているみたいな。そういうところありますよね。

 

 

M12:アンチグラビティ・ガール - 月ノ美兎
作詞:MCTC 作曲・編曲:TAKU INOUE

TAKU INOUE提供楽曲ではあまり聴いたことないような、ロックで音が盛られてる曲だと思いました。面白いものを求め続けてきた月ノ美兎の異常な好奇心とバイタリティがめちゃめちゃに表現されています。

月ノ美兎のボーカル、あまりにも歌声が月ノ美兎すぎる…。ボーカルを潰しかねないくらいトラックがデカくて詰められてるんですが、生々しい歌声が妙に負けてなくて、パワフルかつ独特の感じがあります。
いぇーーーで曲が始まり、曲のラストでは声を張り上げて「笑ってたい」とロックに叫んでいます。そういう方向性で作られる月ノ美兎、それもまた解釈だなと。

Vtuberに限らず、人物に作られる曲にはキャラソンとイメソンがあると思っています。作られ方でいうと、キャラソンは事実的でイメソンは解釈的です。イメソンには解釈の過程で祈りや願いのようなものが入っていて、「アンチグラビティ・ガール」はそれです。その分類なら「Moon!!」がキャラソンですね。

「アンチグラビティ・ガール」は俺たちの偶像としての月ノ美兎なんですよね。この感覚は初期っぽいというか、統合あたりから見てる人には伝わりにくいかもしれません(kzさんが音楽プロデューサーやってる信用かなと)。

やっぱりラストのシャウト良いよなぁ…。
にじさんじのアルバムのラストを、好奇心で走ってきた女の衝動と叫びが総括してるのマジで最高だな。

もしキャラソンアプローチだったら、ポケモンどうぶつの森の配信でしょうもない下ネタ連発してる女をどうするんだよ…となるのかな。 

 

 

■まとめ 

Vtuberのバーチャル性を全然押し出していないのも良い点だったかなと思います。
バーチャルであることをアイデンティティとして取り上げず、その先にある、ゲーム配信者としてのスタイルだったり、関係性の妙だったり、グループ内の立ち位置だったりを元に曲が作られているのが良かった。にじさんじのことをわかっていて、Vtuber理解として現代的だなと思います。kzさんが音楽プロデューサーとして働いたのが大きいのでしょう(kzさんは普段からにじさんじのことをツイートしまくってる大ファンです)。

Vtuberの楽曲はキャラクターソングなのか、イメージソングなのか、はたまたボーカリストの曲なのか、ジャンルはアニソンに近いのか、みたいなことを改めて思いましたね。

同じグループのVtuberでも、世界観やキャラの強さは個々人によって異なるし、しかもコンビやトリオになると更に変化するし、声を作ってると明言してる人までいますし、キャラも関係も流動的に変化し続けます。それにどうアプローチするのか問題が、アニメのキャラソンアルバムと違うところなのかなと。……Vtuber楽曲はアニソンと隣接ジャンルだと思ってるの自分だけ?

そんな感じでした。早く配信で売ってくれ。