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TrySailの「トライ」に感じるコンセプトとしての弱さ


声優ユニットは「声優が何を表現するか」のコンセプトやテーマが重要であり、ここに一本芯が通っているとユニットとして魅力的に感じるものです。
コンセプトやテーマは、ライブで優勝できるかどうかに関わる物差しのひとつであり、エモさを司る要因のひとつでもあると考えます。作品ユニットの場合はこの核部分を作品が担うのでめちゃくちゃ強いです。

それがTrySailの場合、ユニットの核となるものが、メンバー三人のパーソナル以外にないように思います。公式には「トライアングルガールズユニット」とあり、これは三人の関係性を表しているのでしょう。三人の関係性こそがTrySail最大の魅力という主張には共感できますが、ライブで優勝(古めかしい表現を二度も恐縮です)するためにはもうひと押し欲しいところです。

ではそのコンセプト部分に相当するものは何かと考えると、「トライ(挑戦)」が候補に上がると思います。トライはユニット名に込められた意味の一つであり、メンバーもよく口にするキーワードです。
しかし、このトライは、コンセプトやテーマとして注目してみると、あまりうまく機能していないように思えます。
挑戦(→成功)という、オタクがエモくなりがちな要素をテーマにしているにも関わらず、この部分にエモさを感じることがないと思いました。


なぜトライがコンセプトとして機能していないと思ったのか説明したいと思います。(※個人の感想です)

 


まずライブでの30分劇場やコントに関してです。
30分の芝居をやることは挑戦だと感じますし、コント仕立てのライブ構成もまあまあ面白いです(コント私は好きですよ)。

問題は、これらが一切の予告なく始まる点にあります。ライブイベントがいきなり30分のお芝居やコントから始まり、ライブパートに移り、ようやくのMCで「今回のトライは劇だった」と明かされます。
TrySailのライブの大部分を締めるトライはすべて事後公表であり、トライした結果だけが届けられます。

挑戦とは困難な事に取り組むことです。しかし、それがいかに困難であるかをあらかじめ知らされないのでは、挑戦それ自体を見届けることはできません。挑戦であると知らなければ、それはステージでは見かけ上他の演目と変わらないのではないでしょうか。

「30分の芝居に挑戦」ではなく「ライブでコント劇を30分やる挑戦」だったという印象を与えられかねません。30分芝居をやるのは結構な挑戦であると思うのですが、茶番として受け取られてしまえば、このトライは消滅し、ライブを通じてのコンセプトとしても弱くなってしまうと思います。

それに、コントなどはスフィアもやってきたことだと聞きます。先輩に続くように同じことをやるのがトライだとは受け取りにくいです。(でも独自路線を考えると糸電話お渡し会や手作り鍋になるんですかね…)


とはいえ、ハモり曲やはいふり魂の高難易度、ワンマンライブの開催それ自体は、正統なトライであると感じます。

そこでもう一つの問題が出てきます。(※個人の問題です)

どうやら私は、TrySail三人の能力を過大評価しがちな傾向があるということです。
ミリオンライブで経験を積んでいるというのもあって、TrySailの三人なら大抵のパフォーマンスはできるだろうと期待していますし、実際そういう特別感を持たせる売り方をしていると思います。ステージ上、メディア上で完結してる人たちです。
この傾向は自分だけではないと思ってますが……。

この傾向が一つ目の問題を補強する形になります。

つまり、TrySailが行うトライは、事後にそれがトライだったと“明かされる”まで、三人にとって特別困難な取り組み(挑戦)であると判断し、評価することが難しいということです。
ステージ上のパフォーマンスだけで完結した魅力を出せるTrySailと、ステージ外の文脈的要素を含むトライとは相性がよくないのではないでしょうか。

30分劇場ともなれば事前にライブの見所の一つとして宣伝してもいいくらいだと思いますが(私は好きですよ!)、秘密主義的な性質が、確かに存在するはずのトライまで覆い隠してしまっていると感じます。アルバムの特典映像を見てやっとトライを実感しました(想像力に欠けるオタク)。

ステージ上で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることへの信頼は揺るがないながらも、どこか感じるユニットライブとしての物足りなさは、こういったことが原因である、という感想です。
文脈的な要素抜きで、ただそのステージだけで楽しめるライブは俺好みのものではありますが、何か感じ入る要素が欲しいこともあります。1stのSail Outが醸し出してた船出感みたいなやつです。

コント仕立てのライブ構成にエモさなんてあるわけないと言われたら終了ですけど……。


対して、挑戦を上手く見せていたのがミリオン3rdライブツアーです。

各公演ごとに異なるリーダーを設定する新制度を前面に押し出し、ツアーの見所として告知。
リーダーを担当するメンバーはラジオで公演への意気込みを語りました。自身にとっていかに挑戦であるか、結果どうだったのかを語る機会も設けられていました。
そして各公演でリーダーを経験し成長した面々が千秋楽である幕張公演に集結しツアーを総括するような構成は見事だと思います。
TrySailのメンバー3人もリーダーに初挑戦し、その大役を果たして見せましたが、まあ激エモでしたね…。
規模や性質が違うのでTrySailにも、トライを推していくならもうちょっと見せ方を工夫してもいいのではないかと思います。トライに疑念を持ち始めたのと同時期にミリオン3rdを見せつけられたので、どうしても比較してしまいました。


まとめると
・トライが過去形である
・その困難性、特殊性が伝わりにくい
・過程があるはずのトライと秘密主義
・やっぱミリオンつよない?
という感じでしょうか

以上のような理由で、TrySailのトライって機能してなくない?と思いました(※一時的な感想です)


もっとも、私はwhizもひかるカケラもはいふり魂も聞いたことがない在宅なので、過去公演のある時点までの感想です。そこから更新されていません。在宅なので。
もちろんこの考えにとらわれるあまりに、自分が求めているような良さの兆候を見逃してる可能性も全然あるはずです。
この時点から更新されてないので、久々に行ける次のツアーが楽しみっていう話でもあります。
おそらくライブに行けば一瞬でこの感想を撤回すると思います。
ツアーはまさしく大航海だと思うのでめちゃくちゃ楽しみです。在宅なので一箇所しか参加しませんが。オンオオ😭